5/24/2012

圧巻の脚力ゴールドシップが2冠目もゲットする

芦毛の馬体が黄金に輝くゴールドシップの快走劇だ
*牝馬の祭典「オークス」のジェンティルドンナ(川田)の2冠に引き続き、日本ダービーでも皐月賞を最後方から素晴らしい末脚を発揮し圧勝したゴールドシップ(内田博、須貝)の一人舞台、優に2冠目も手中にする。そして誠に残念ながら残りの17頭はその引立て役、その他大勢組になるが、2着はDインパクト産駒が大挙8頭が出走して確実に2着争いに加わる展開だ。

競馬の祭典「日本ダービー」には必ずドラマが
*「東京優駿(日本ダービー)」が、いよいよ今度の日曜日に迫った。生まれたサラブレッドの全てが、3歳になったらここに出走し、そして勝利することを第一の目標で、厳しいトレーニングを励んで来たが、出走枠は僅か18頭なのです。
ここに出走出来ただけでも、とても嬉しい嬉しい名誉、馬主は厩舎関係者に「良くやった!」の感謝の一言なのです。

汗だくギューギュー詰めの回想
*随分昔ですが、ダービーで「36頭も出走」の記憶もあります。競馬紙の馬柱は、いつもの縦には入り切らず横刷り掲載、そしてパドックで馬もファンも入り切らないほど大盛況、ゆっくり鑑賞していては馬券を買う時間がなくなるほど、そしてバラ券買うのにどこも長蛇の列、前レースを見るのをパスして(パドックに)陣取りチラッと馬を見ては穴場に直行して、ヤットの思いで馬券を買うのですが、当日は初めて馬券を買うファンが多く、モタモタ手間取っては皆イライラ、後ろに並んだ奴は罵声を飛ばして殺気立っていました。
*そんな能書きはどうでもいいから、勝つ馬の見解はどうなんだ!なのでしょか?

皐月賞回想からダービー馬が見えて来る
*皐月賞では1番人気はグランディツァ(デムーロ騎手)でしたが、中山2000mを最後方で競馬した4番人気ゴールドシップ(内田博)が、3角で動いて4角では、皆先行する馬は荒れた内ラチを避けて大外を回る中、スイスイと最内ラチに進路を取って先団に取り付き、ここから最速の上がり3F34秒6の末脚を発揮して一気に独走、芦毛の馬体が唯一頭だけ大きく抜け出し圧勝した。
同じ最後方で競馬のワールドエース福永祐が4角まで待っての追い上げ、短い中山の直線を大外に持ち出し、直線だけの競馬で(よく34秒9で)2着まで追い上げが決まったのですが、「2馬身1/2」も突き放されては無念でした。

*3・4着も激戦、「ハナ差」勝負、ディープブリランテとコスモオオゾラの2騎、比較的先団で競馬して直線も懸命に逃げ粘り込んで入着、人気のグランディツァは、ゴールドシップと同じ最後方から競馬も末脚3F35秒4では「1秒」も違う末脚では5着が精一杯の着順でした。でももう一度は信頼して抑えるべしの力はあります。

今回のダービーでの結論は
*1番手は、小回り中山の多頭数競馬で最後方からの位置取り、勝負どころの4角では先団まで上がるレースセンスとそれに応える素質(スタミナ)なら、ダービー制覇の必須アイテムになる。
中山坂コースで34秒6を繰り出すことが出来る実力なら東京コースでは33秒台は優に発揮できそうで、オークス同様の突き放しての圧勝劇になりそうだ。

*2番手は、やはり皐月賞で2番人気のワールドエース(福永祐)、仕掛けどころがチョイ遅めだっただけ、素質はインパクトで父譲りで、長い直線は間違いなく末脚34秒台は発揮して呉れそうだ。
*青葉賞組からダービー制覇した馬の記憶はないが、直前の前走で同じコースを快走した実績なのでチョイ期待が持てるのがフェノーメノ(蛯名正)、中団から卒なく抜出した競馬で「3F34秒1」の末脚は抑えたい。蛯名正騎手はオークスで1番人気ミッドサマーフェアの失速を、ここで挽回して欲しいものです。

入着特注馬はアルフレード武豊
*前走NHKマイルCで惜しくも2着のアルフレードはご存じ2歳チャンピオン、朝日杯FS1着の実力馬、4歳オルフェーヴル並みの迫力はあり、大駆け気配十分なので3着抑えは必須になる。
(写真:皐月賞で圧勝ゴールドシップ内田、2着以降大混戦も外からワールドエース福永祐)

東京10R 東京優駿「日本ダービー」 GⅠ、サラ3歳OP、芝2,400m 展望
◎ ( 6)ゴールドシップ(内田博、須貝尚介、Sゴールド)皐月賞1着(格付116ーI(中距離))
〇 ( 8)ワールドエース(福永祐、池江泰寿、Dインパクト)皐月賞2着(111ーI)
△1(10)ディープブリランテ(岩田康、矢作芳人、Dインパクト)皐月賞3着(110ーI)
△2( 7)コスモオオゾラ(柴田大、高橋義博、ロージスインメイ)皐月賞4着(110ーI)

△3(17)グランディツァ(池添謙、平田修、アグネスタキオン)スプリングS1着(110ーM)
△4(11)フェノーメノ(蛯名正、戸田博文、Sゴールド)青葉賞1着(110-L(長距離))
・ ( 9)エタンダール(松岡正、藤原英昭、Dインパクト)青葉賞2着(106-L)
・ (16)モンストール(柴田善、尾関知人、Aマックス)新潟2歳S1着(105--)
△5(18)アルフレード(武豊、手塚貴久、Sクリスエス)NHKマイルC2着(108-M)
・ (13)クラレント(小牧太、橋口弘次郎、Dインザダーク)NHKマイルC3着(107-M)

注2( 2)ヒストリカル(安藤勝、音無秀孝、Dインパクト)毎日杯1着(108-M)
・ (12)トリップ(田辺裕、松田博資、クロフネ)報知杯弥生賞2着(107-I)
注1(14)トーセンホマレボシ(ウイリアムズ、池江泰寿、Dインパクト)京都新聞杯1着(107-L)
・ ( 5)ベールドインパクト(藤岡佑、大久保龍志、Dインパクト)京都新聞杯2着(103-L)

・ ( 4)ジャスタウェイ(秋山真、須貝尚介、ハーツクライ)アーリントンC1着(106-M)
・ ( 1)スピルバーグ(横山典、藤沢和雄、Dインパクト)プリンシバルS1着(106-I)
・ (15)ブライトライン(佐藤哲、鮫島一歩、Dインパクト)ファルコンS1着(105-M)
・ ( 3)ゼロス(川田将、領家政蔵、キングカメハメハ)若駒S1着(104-I)
以上18頭

W重賞で再決戦の「目黒記念」展望
*ダービーで惜敗しても、ここ目黒記念で挽回のチャンスが少し残っています。この目黒記念は色々逸話**が沢山ありますが、ここで勝てる力があるのはトレイルブレザー武豊に期待している。
前走京都記念の快勝は素晴らしい末脚、人気のダークシャドウ(福永祐)を2馬身も突き放しての圧勝は素質がいよいよ開花して来たと感じる。前走より+1kgのハンデ頭58kgを背負うが昨年の宝塚記念以来の斤量、実践ではアーネストリーの8着に撃沈、長距離の重量は結構厳しいということなのです。
そして更に不安材料は、この馬は6勝もしているが、連勝した記録が皆無、続けて勝てる馬力・スタミナがないのか、今回は勝てない方のリズムで、これがチョイ気になる。
武豊騎手は07’ポップロックで快勝したとき、前レースのダービーが惨敗したが、「未だ勝負は終わっていない」と強がってW重賞の最終R「目黒記念」に臨み、人気に応えて快勝したときは「勝つのが1R遅かった」と語って、いかにもダービー惜敗が無念かを未だに引きずっていたような印象に残るので、今年もこの展開(アルフレードがダービー惨敗した屈辱をここで晴らすこと)になりそうだ。

*相手関係はスマートロビン蛯名正が強敵、恐らくこの馬が1番人気だと思うが、前走OPを2番手から33秒6の末脚で勝ち上がった実績なら好勝負、共に+1kgの斤量で五分五分の勝負なりそうだ。
*3番手にはスマートロビンの2着に好戦したタッチミーノット横山典、中団から驚異の末脚「33秒1」で追い上げたが位置取りの差で惜敗、今回はハンデ1kg差で据え置き恩恵があり、武豊・蛯名正と横山典が良い勝負になる。

**目黒記念逸話
・ダービーディを大いに盛り上げるため(グレード性確立で秋開催位置付けを失った目黒記念をここに繰り込んで)W重賞と決めたが、初めは土曜重賞で開催、でも関西からの遠征関係者は土と日のダービー開催では連続滞在になり不経済とかクレームで(やっぱり)一緒の日に、そして何よりもメーンが最終Rにと長く続いていた歴史がある関係で、イキナリ終われば競馬ファンがドッと一度に周辺の道路に溢れ街中大混雑、その緩和措置としてメーンRを一つ繰り上げて来た経緯から、やっぱり最終Rに重賞はマズイとかで、昨年は土曜メーンに戻すも集客に繋がらず、でもまたW重賞になったり、JRAもアッチ行けコッチ行けと目黒記念を動かす試行錯誤が未だに続いている現状がある奇怪なRなのです。

・それからもう一つ、目黒記念に良く「メジロ」の冠が付く馬が参戦したことから文字って「メジロ記念」と称していた時期がありました。
主なメジロの名が付く活躍OP馬に「タイヨウ、アサマ、ブライト、ラモール、ティターン、マックイーン」など多数いましたが、牧場で種付け、若駒生産から育成・調教まで一貫した経営で北海道にメジロ王国を築いたのですが、競走成績不振、競走馬の売れ行き、種付け業の不振、そしてバブルが弾けて経営破綻、先ずは牧場閉鎖、そして馬主も無念の末梢しては、寂しくなってしまいました。
でもこの馬主、競馬に対する理念には今でも感動、拍手を惜しまないし頭が下がります。
武豊騎手などは見習い騎手から天皇賞に騎乗させるなど若手にチャンスをで抜擢(マックイーン1着入線も無念の失格など)、大変可愛がって貰ったお蔭で武豊の今があるのですが、その行動力は「1Rから最終Rに全てメジロの名が付く馬を出走させ一日中楽しみたい。そして究極的には1Rに全部メジロの馬で競走させたい」などと大胆不敵な一競馬ファンとしての限りない探究心は立派なこと、もう一歩で夢を実現出来るまで来ていたのですが無念にも撤退、そして残念な判断でしたが敬服しています。

東京12R 目黒記念(GⅡ、4歳以上OP、ハンデ、芝2,500m)展望
◎(18)トレイルブレザー(58武豊、池江寿、Zロブロイ)前走GⅡ京都記念1着
〇(14)スマートロビン(57蛯名正、松田国、Dインパクト )前走OPメトロポリタンS1着
▲( 5)タッチミーノット(56横山典、柴崎、Dインザダーク)前走OPメトロポリタンS2着
△1( 2)ダノンバラード(57岩田康、池江寿、Dインパクト)前走GⅢ新潟大賞典4着
△2( 3)カワキタコマンド(55柴田善、小桧山、Sプレジデント)前走アルゼンチンT3着
注( 9)トウカイパラダイス(55柴山、田所、Gアリュール)前走GⅠ天皇賞・春10着