3/24/2016

藤田菜七子騎手が待望の逃げ切り初勝利(デビュー36戦目)

〇藤田菜七子騎手浦和奮闘記 :今日も引っ張りダコ、武者修業の日々も早くもその成果湧出だ!
  3月24日(木)、公営浦和競馬(湿った稍重馬場)に参戦、小雨が降る重賞戦でもない普通の日でも、菜七子参戦が知れ渡り、その効果大で、朝から観客の入りがとても早く、珍しく大盛況の中、浦和初騎乗が第2Rでファンに初お披露目、そして第3Rアスキーコード(2番人気)が逃げ切りで、遂に悲願の初勝利達成、そして今度は差し切りで仰天の2勝目も飛び出す快挙になりました。

 16年振り7人目のJRA女性騎手として、日増しに注目度を集める藤田菜七子騎手(18歳、美浦・根本康広厩舎所属)が、今日は、浦和競馬に初参戦した。
*第2R:初体験する小回り浦和競馬場、緊張する初(左回りダート)コースで4番人気も、全く良いとこがなく、敢え無くシンガリ11着失速し、ガッカリしたが、気分を変え即第3Rに参戦した。
(歓喜の初勝利が遂に・・)
*第3R: 期待のアスキーコード(前走1着の1勝馬)が、最内枠から好スタートを決めて、果敢に先行、軽快に3角から並んで来る後続馬を徐々に置き去り、4角回った時点で3馬身も引き離す一方的な展開から、直線でも二の脚を使い「一人旅」、追い上げて来る後続馬を、最終的には「2馬身」も振り切って先着する快勝劇、短い直線でも楽しむ余裕もなく、長~く感じたことでしょうか、内ラチに寄らないように、懸命に左鞭を入れて追い続け、待ちに待った瞬間が遂に訪れて、記念すべき(逃げ切り)初勝利を挙げた。新人騎手の「特典」である減量ハンデなし「56kg」斤量で、勝利したことが素晴らしく凄い「技あり」成果なのです。
 2着に着いて来たのは、7番人気馬の騎手、この「赤胴に白星」の勝負服と言えば、公営の雄で知られる「通算勝利数6,847勝を誇る的場文男騎手」で、その歳の差「42歳もの最大級の歴史的な対決」を、未だ未勝利の新人騎手に後塵を浴びては形無しの屈辱、この快挙に遭遇することになった的場騎手も脱帽・・でもニッコリで、この競馬の世界は「性別そして年齢」など全くの無関係、皆一戦毎の勝負に生きている者同士、勝負が終わったGOAL後には、単なるホースマンに戻って、馬上から「ロータッチ」に自ら進んで手を差し伸べ敬意を表現、その健闘を祝福していた。

 道中は先頭主張で、砂を全く被らずに済み、お顔も勝負服も馬も、綺麗なまま、ニッコリ入線し感涙・・、勝利のGOAL入線前から、多くの観客から、力が入った盛大な声援と、その勝利の瞬間に立ち会えて、感動のドヨメキが起こる中で、「2馬身」も離して余裕の体勢でフィニッシュを決め、ガッツポーズしての凱旋でした。
 対象的なのは、一緒に走ってアシスト役に徹した形の百戦錬磨の凄腕公営騎手の面々、「その内バテて直ぐに捕えられる・・」と読んだのか、駆け出しの「菜七子姫」の先行ペース配分を疑問視して追走を遠慮したのか、軽快に逃げ切られる屈辱、痛恨の「泥まみれ」そして後塵を頭から一杯浴びての後検量室へ帰還する羽目になりました。

 初騎乗は、JRA開催の競馬より先に、多くの関係者支援で、公営川崎競馬(3月3日)に参戦、このデビュー戦から22日目、そして通算騎乗数36戦目(JRA22鞍、地方14鞍)で、今まで最先着が2着でしたが、待望の記憶に残る初勝利を達成、これを目当てに集まった多くのファンやマスコミは、皆一同に感激、来た甲斐があったと大喜び、記念写真の要請に応じて大忙しの展開に、大汗を掻いていたが、嬉しい嬉しい悲鳴があがったのは当然、「この感動は一生忘れないです」と感激していた。

 愛弟子の騎乗を見守った師匠の根本康広調教師は「やっと1着になれたことで、取り敢えず皆さんの支援に応えられたのではないかと思います。初勝利は本当に初めの一歩であり、これからもっともっといい競馬をして行かなければならないと思います」とエールを送った。
(初勝利後のコメント)
・直線の脚は素晴らしかった:「4角先頭で回った時は、逃げ切れると余裕があったが、直線では、誰も追いかけて来ないで、お願いだから、着いて来ないでと、願ってドキドキしていたんです。そしてGOALまでとても長く感じました。」
・初勝利の心境は:「本当に嬉しいです。乗せて頂いた馬主さん、調教師の先生、厩務員さんを初め、お世話になった全ての人に感謝します」
・騎乗したアスキーコードには:「ありがとうの一言です」
・初勝利を誰に伝えたいか:「両親に伝えたいです」
・ファンの皆さんには:「競馬場に足を運んで応援して下さってありがとうございます。今後も頑張って行きますので、よろしくお願いします」
・浦和競馬場の印象は:「特徴を事前に色々人に聞いて来ましたが、思っていた以上に、トリッキーで難しいコースでした」

(菜七子騎手の勢い止まらず:2勝目は差し切りで連勝!)
*第6R:そして続く、ウインアンビション(牡3歳、斤量56kg、(美浦)畠山吉宏厩舎、4番人気、JRA未勝利馬)に騎乗、JRA交流戦「ツインエース特別」では、JRA遠征馬で参戦、ゲートはほぼ中央、スタートは皆互角で、先行集団を外4番手で追走して、直線で外回りから懸命に右鞭を入れて猛追、馬が期待に応え、グイグイ伸びて、鮮やかに前を捕らえ「差し切り」勝利で、初勝利の「逃げ切り」とは違った見事な戦法が炸裂、連続して2勝目をゲットの殊勲、JRAでは未勝利馬でも、連日坂路で鍛えているため、公営馬と比較では、足腰は強く、最後の末脚が生かせるのです。そして観客は、驚愕の「万馬券」演出の立役者に「ド肝と腰が」抜けるほど嬉しさと驚きの大興奮、「菜七子!凄いゾー!」と雄叫びでした。
 ウインアンビションは、この勝利が「初勝利」、晴れて中央で「500万下」条件戦に、勝ち上がるまで、いつまでも参戦できて、浦和参戦し甲斐があったと畠山師も嬉しさ一杯、良かったですね。

*第7R:女性調教師が仕上げた(1)アナログガールに騎乗、3Rのように、果敢に先行策、1・2角では先頭で走るも、3角当たりから力尽きて徐々に後退、結局シンガリ負け11着の屈辱では残念な結果になりました。
*第8R:トリックショット(4番人気)に騎乗、中団待機から2角で一旦は4番手に上がるも、以降後方に置かれて、直線の叩き合いで、僅かにバテて下がって来た、前の2頭を交わしただけの9着失速になりました。
*第9R:イーストスパークル(2番人気)に騎乗、大胆にも、一転して縦長展開の後方2番手(ブービー)の位置獲りから、短い直線を外回って猛追して来て、1着馬に(2馬身)離されるも、3着に「クビ差」競り勝って、人気順位の2着を確保し、多彩な戦法を繰り出す、菜七子騎手に陶酔するファンの喝采を浴びた。
 更に、この後も11Rに騎乗で、特に極めて有力馬(11R)ヒットザトレイルに騎乗があり、本日は、3勝目も期待できる状態、その続報が気に成るが・・敢え無く失速、本日3勝目の夢ならず無念!

*期待が高まる第11R:(2)ヒットザトレイル(2番人気)に騎乗、逃げるエールドランジュ(4番人気、逃げ切り1着)の4番手追走して直線、何かアクシデントでもあったのか、先行馬を深追いしたためか、急速に脚があがって大きく失速の11着、本日一時は(過去の戦績から)断然の「1番人気」に支持され、期待一身でしたが、結果は2番人気に落ち着き、期待一杯の一線も、3勝目を目前にして「夢は水泡」を喫しては残念でした。
 本日の狂想曲が終わっての感想は、2勝は素晴らしい!でも彼女は「11着」が大好きな着順なのか?・・馬が故障なら仕方がないが、意地でも一つでも前へと、一桁着順に拘って欲しいものです。

*本日浦和競馬の騎乗成績
・第2R:11着(11)ケイティーハヤブサ(本間光厩舎、4番人気、逃げバテ)
・第3R:1着(1)アスキーコード(酒井ー厩舎、2番人気、逃げ切り):単勝420円、馬単6,060円
・第6R:1着(8)ウインアンビション(畠山吉厩舎、4番人気、差し切り):単勝810円、馬単11,520円
・第7R:11着(1)アナログガール(平山真希厩舎(女性調教師)3番人気、行バテ)
・第8R:9着(6)トリックショット(工藤伸厩舎、4番人気、中団待機のまま伸びず)
・第9R:2着(6)イーストスパークル(工藤伸厩舎、2番人気、追込むも届かず):馬連1,750円
・第11R:11着(2)ヒットザトレイル(荒山勝厩舎、2番人気、4番手先行も直線バッタリ失速) 
以上(最多)7鞍騎乗=7戦2勝、2着1回、着外4回

*ドバイから武豊騎手も祝福!
 ドバイ参戦する多くのJRA関係者にも「菜七子」騎手の快挙が届いた。
 武豊騎手は「(2勝したと聞いて)凄いですね。注目されて結果を出せたのは本当に良かった。
しっかり乗っているから、JRAでも直ぐに勝つチャンスがあるでしょう。」と大いに祝福、、自称「菜七子サポーター」として、その快挙に目を細めていた。
 そして根本調教師が「多くの関係者にお願いして、沢山チャンスを与えて、競馬を盛り上げているのは、とても良いことです」・・と称賛した。